損益計算書に出てくる利益の種類をまとめて解説

今回は損益計算書(以下、P/L)に登場するさまざまな種類についてまとめていきたいと思う。

前回まで各利益について紹介してきたが、忘れてしまった方や復習したい方用の記事として利用して頂きたい。

まずP/Lに登場する利益の種類はいくつあったか覚えているだろうか?

合計「4つ」ある。

「売上総利益(粗利益)」「営業利益」「経常利益」「当期純利益」の4つだ。ここはしっかりと覚えてもらいたい。

その上で、各利益の意味とポイントをコンパクトに解説していく。

【利益その①】売上総利益について

まずは最初に登場する「売上総利益」について。別名「粗利益」とも言う。

売上総利益とは、商品やサービス自体がもたらす利益のことを意味する。

売上総利益の算定式とポイントをまとめると以下の図のようになる。

【図解】売上総利益の算定式とポイント

売上原価というのは、売上に対応するコストのことをいう。

商品を100個仕入れて100個販売したら、100個分の金額が売上原価となる。

商品を100個仕入れて20個販売したら、20個分の金額が売上原価となる。

そんなイメージだ。

ポイント部分にも記載したが、この売上原価は業種や商品・サービスの内容によって変わってくる点は抑えておこう。

より詳しく復習されたい方は以下の記事を読んで頂きたい。吉野家とコメダ珈琲の企業事例も取り上げている。

【利益その②】営業利益について

続いて「営業利益」について確認していく。

営業利益とは、本業から得られた儲けを表す利益であり、ビジネスモデルの強さを示している利益でもある。

営業利益の算定式とポイントをまとめると以下の図のようになる。

【図解】営業利益の算定式とポイント

商品やサービスを売るためにかかるコスト(人件費、広告宣伝費、店舗家賃など)が販売費及び一般管理費という点を思い出して欲しい。

営業利益は、売上総利益からこの販売費及び一般管理費を差し引いて算出するため、本業で得られた利益ということが出来るのだ。

より詳しく復習されたい方は以下の記事を読んで頂きたい。こちらも吉野家とコメダ珈琲の企業事例を取り上げている。

【利益その③】経常利益について

3つ目の利益は「経常利益」についてだ。

「けいじょうりえき」と読むのが正しいが、「けいつね」と呼ぶ人もチラホラいる。

経常利益とは、事業活動全体から得られた利益のことを意味する。

経常利益の算定式とポイントをまとめると以下の図のようになる。

【図解】経常利益の算定式とポイント

営業利益との違いを理解することがポイントとなるが、本業外の活動にともなう損益(利益と損失の総称)を含んでいる点が主な違いとなる。

より詳しく復習されたい方は以下の記事を読んで頂きたい。こちらでは無借金経営の任天堂と借入金が多いイオンの企業事例を取り上げている。

【利益その④】当期純利益について

4つ目の利益「当期純利益」について確認していこう。

損益計算書で一番最後に計算される利益概念だ。

当期純利益とは、企業にとっての最終成果を示す利益である。

当期純利益の算定式とポイントをまとめると以下の図のようになる。

【図解】当期純利益の算定式とポイント

こちらは経常利益との違いを理解することがポイントとなる。

経常利益は本業外の取引を含んだとお伝えしたが、頻繁に発生する「恒常的」な取引が対象であった。

対して当期純利益では、めったに発生しないようなイレギュラーな取引や税金取引を反映している点が経常利益と異なっている。

より詳しく復習されたい方は以下の記事を読んで頂きたい。こちらではオリエンタルランドとガイアックスという会社の企業事例を取り上げている。

【利益の種類】まとめ

最後にこれまで紹介してきた「4つ」の利益について図でまとめておこう。

私が会計知識ゼロの方向けに開催している「ビジネス会計講座」でも使っている図だ。

【まとめ】損益計算書の利益算定の流れとポイント

P/Lの流れと算出される各利益の意味、ポイントをこの図を活用してぜひおさえてもらいたい。

各利益が持つ意味やイメージを膨らませるために、企業分析もおすすめだ。

編集後記

最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました。

今回は今まで紹介してきたP/Lの利益概念の総復習という形で記事を書いてみました。

「〇〇利益という名前は聞いたことあるけど、意味やポイントは説明できない」

こういった方は会計資格ホルダーであっても案外多いです。

資格の有無にかかわらず、そもそもの意味は何か、どういった時に使われるかを理解することはビジネス現場で活用するためにはとても大切な視点となります。

ぜひ復習用としても本記事を活用してみてください。

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