以前「決算書」について記事を書いた。
読んで頂けた方は覚えているだろうが「決算書とは会社の成績表のことで、財務三表をしっておけば良い」
確かそのような内容だった。
お忘れの方はコチラご参照頂きたい。
今回は財務三表の一つ、損益計算書について紹介していこうと思う。
損益計算書だと堅い雰囲気が充満するので、これから先は「P/L」と表記していく。
いきなりだが、結論からいこう。
P/Lを読めるようにするためには、以下2つのポイントを抑えることが大切だ。
ポイント①
「そもそもP/Lとは何か?」についてしっかりと理解する
ポイント②
「P/Lの仕組みや構造」についてもしっかりと理解する
以下、それぞれのポイントについて見ていく。
まずポイントの1つ目「そもそもP/Lとは何か」について。
これは簡単に言ってしまえば「今年いくら儲かったのか?」を示すものがP/Lである。
専門的にカッコよく決めたいなら「経営成績」を示す決算書とも言える。
「今年いくら儲かったのか?」という文言には2つの重要概念が含まれている。
それは「期間」というフローの概念があること、「儲け」という利益の概念があることだ。
前者のフロー概念は通常「1年単位」となるのだが、例えば2021年4月から2022年3月までの期間といったような形である一定期間に関する情報を示しているものだと解釈できる。
後者の利益概念はこの後さらに詳しく見ていくが、儲かっている場合には「利益」、儲かっていない場合には「損失」と表現されることになる。
ここまでが1つ目のポイント「そもそもP/Lとは何か」についてとなる。
続いて2つ目のポイント「P/Lの仕組みと構造」について見ていこう。
P/Lは儲け(以下、利益と呼ぼう)を示すものとお伝えしたが、どうやって利益を導き出すのか、その算定式を以下に示す。これは基本だが非常に重要なので必ず覚えて帰って欲しい。覚えられなければずっとこのページにいて欲しいくらいだ。
「収益」-「費用」=「利益 or 損失」
例えば、
収益が100で費用が80の場合、利益20が算出される。
収益が100で費用が120の場合、損失20が算出される。
こういった具合だ。別に難しいことはないと思う。
ここでは、収益から費用を差し引くことで利益を計算するのがP/Lということを抑えて欲しい。
ここまでの理解を前提に、実際のP/L構造を見ていく。
実際のP/Lは「段階的な構造」になっているのが特徴的だ。
図を用意したので、以下で理解してもらいたい。
「収益-費用=利益」の基本式をベースとしつつも、それを繰り返して様々利益を出している。
あわせてP/Lの基本構造と流れについてしっかり抑えていこう。
本記事で最終的に理解して頂きたいゴールとなる図を以下に用意した。
まず一番左側を見て頂きたいのだが、P/Lは「売上(収益)」からスタートする。
途中で売上原価や販管費のような「費用」を差し引いて、以下の順に利益を算出する。
「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「当期純利益」
(各利益の細かな内容について、後日別の記事で紹介していくのでお時間頂きたい)
続いて図の中央部分について。
詳しくは後日の記事でも紹介していくが、ここではP/Lは「本業との関連性」×「恒常性」の構造で成り立っているということをなんとなく知っておいて欲しい。
ざっくり言えば、上側は「本業に関係している&日頃よく発生する項目」が集まっていて、下側は「本業に関係していない項目や日頃発生しない項目」が集まっている。そんなイメージだ。
図の一番右側は、興味のある方だけ見てもらえれば良い。
さて、ここまでP/Lのポイントについて解説してきた。最後に、実際に上場している企業のP/Lをチェックして終わろうと思う。みんな知っている「任天堂」についての決算書を用意してみた。
今回の内容をもとに、P/Lの構造や利益の流れ(並び順)が読めるようになっているかどうか、確かめてみて欲しい。細かな内容や項目についてはすべて無視してOKだ。
少しでもP/Lの構造や利益の流れがわかるようになっていれば、この記事を書いた価値も少しはあるのかもしれない。基本的なことを1つずつ、しっかりと着実に身に付けていこう。
編集後記
最後まで読んで頂きまして、ありがとうございます。今回は「損益計算書」について紹介してみました。
損益計算書は主要な財務諸表の一つであり、企業を読み解く上でも非常に重要な決算書となります。今回は基本的な内容でしたが、そもそもの意味や仕組み(構造)を理解することは、いずれ発展的な内容を扱う際にもきっと役立つはずです。
今回で言えば、損益計算書は「ある一定期間の儲け(経営成績)」を示すものであり、儲けは「収益から費用を差し引く」ことで算出されるというのが2つのポイントでした。実際の決算書を読むことで理解も深まっていくので、ぜひチャレンジしてみてください。
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