前回まで「損益計算書」について紹介してきた。
今日からは損益計算書と並んで重要な決算書「貸借対照表」について解説していく。
「損益計算書って何だ?」という方は、以下記事を参考にして欲しい。
貸借対照表は英語でBalance Sheetというので、以下では「B/S」と表記していく。
「B/Sとは何か」を理解するためのポイントは以下の2点だ。
ポイント①
「そもそもB/Sとは何か」について理解する
ポイント②
「B/Sの仕組みや構造」についても理解する
以下、それぞれのポイントについて見ていく。
まずは、ポイントの1つ目「そもそもB/Sとは何か」について確認していこう。
これは簡単に言ってしまえば「今、いくら持っているのか?」を示すものがB/Sである。
専門的にカッコよく決めたいなら「財政状態」を示す決算書とも言える。
「今、いくら持っているのか?」というのは、言い換えれば「ある一時点」の情報だ。
この一時点という「ストック概念」がある点が損益計算書との違いとも言える。
損益計算書は「フロー」という概念だったのを思い出して欲しい。
2021年4月1日から2022年3月31日の情報は「フロー」になるし、2022年3月31日時点の情報は「ストック」になる。
「2021年3月31日時点で100万円の借金がある」
「2022年5月20日時点で現金を1億円持っている」
こういった情報を提供してくれるものがB/Sといったイメージだ。
続いて、2つ目のポイント「B/Sの仕組みや構造」について見ていこう。
ここで知っておいて欲しい点は「B/Sには3つの構成要素がある」ということだ。
その3つをまとめたものが下の図である。
詳しいことは次回以降の記事で一つずつ解説していく予定だが、「資産」「負債」「純資産」この3つの用語と簡単な意味はぜひ覚えてもらいたい。
B/Sが持つ構成要素を知った上で、B/Sで成り立つ重要式をご紹介しよう。
P/Lにも重要式が存在したかと思うが、同じようにB/Sにも存在する。以下の式もぜひ覚えて帰って頂きたい。
「資産」-「負債」=「純資産」
左辺にある「負債」を右辺に式変形して以下のように表現することもできる。
「資産」=「負債」+「純資産」
先ほどの図で「純資産は資産と負債の差額概念である」と書いてあることからも、上の式が成り立つことがご理解頂けるかと思う。
さて、ここまでの話を図でまとめてみよう。
今回の記事では、この図さえ理解してもらえれば十分だ。
細かいことは次回以降、一つずつ見ていこう。
では最後に、実際に上場している企業のB/Sをチェックして終わろうと思う。みんな知っている「任天堂」についての決算書を用意してみた。
今回の内容をもとに、B/Sには「3つの構成要素」があることを確認して読めるようになっているかどうか、確かめてみて欲しい。細かな内容や項目についてはすべて無視してOKだ。
「うわ~なんかいっぱいあるしわけわかんない」となる必要はない。
細かい内容は今はどうでもいい。私も昔はわからなかった。
大枠の構成要素として「資産の部」「負債の部」「純資産の部」といった3つの構成要素が確認できればそれで十分だ。「部って何?」って感じだが、そこについては私も知りたい。
余裕がある方は、本記事で触れた関係式(資産=負債+純資産)が成立しているかどうか、チェックしてみて欲しい。
B/Sに限った話ではないが、全体像をしっかりとおさえることで、より細かい論点やポイントについての理解も深まっていく。基本的なことを1つずつ、しっかりと着実に身に付けていこう。
次回は「資産」について解説していこうと思う。
編集後記
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
今回から貸借対照表(B/S)に入ってきました。B/SはP/Lと並んで重要な決算書となるので、ぜひ基本から理解してみてください。
最後に紹介した上場企業の決算書も、一見複雑そうに見えますが、構造を読み解いていけば大して難しくはありません。
「すべて理解したい!」という方も少なくないでしょうが、いきなり詰め込んでも忘れるだけなので、一つずつゆっくり確実に成長していきましょう。
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